弥生時代の道具

 弥生時代には、大陸系磨製石器と呼ばれる朝鮮半島を起源とする石器が出現します。太型蛤刃石斧(ふとがたはまぐりばせきふ)は木を切る伐採用、抉入柱状石斧(えぐりいりちゅうじょうせきふ)・扁平片刃石斧(へんぺいかたばせきふ)は木を削る加工用と考えられています。特に扁平片刃石斧は様々な大きさがあり、粗く削る、細かく削るといったように用途によって使い分けがされていたと考えられます。

写真1 磨製石斧
逗子市 池子遺跡群 磨製石斧

 鉄の道具は、まず鋳型に溶けた鉄を型に流し込んで造られる鋳造品(ちゅうぞうひん)が弥生時代前期に朝鮮半島から九州へもたらされます。弥生時代中期後半以降に、鉄を鍛えて造られる鍛造品(たんぞうひん)が全国的に広がるようになり、神奈川県にも波及します。写真右側の2点は、板状の鉄素材に砥石などで研磨して刃を作り出した鉄斧で、板状鉄斧(いたじょうてっぷ)と呼ばれています。

写真2 鉄斧
茅ヶ崎市 西方A遺跡 鉄斧(写真右下)

 木は有機質であるため、地中に埋まっている間に分解されてなくなってしまいます。しかし、低地など一定の条件が揃うと、残っている場合があります。木は例えば器であったり、道具であったり、建築部材であったりと広く様々なものに利用されていました。写真上段と中段は木で作られた鍬先です。穴があいている部分に柄を刺して固定し、使用したと考えられます。現在の鍬と同じ使い方ですが、刃先まで木でできています。写真下段の3点は機織り具(はたおりぐ)で、今では使われていない道具です。

写真3 木器
逗子市 池子遺跡群 木器

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